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吉野 彰先生 ノーベル化学賞受賞 委員長コメント
J. B. Goodenough教授、S. Whittingham教授と共に、本電池技術委員会会員の吉野彰先生が今年度のノーベル化学賞を受賞されましたこと、電池技術委員会を代表し、心よりお祝い申し上げます。
130年前の屋井先蔵による屋井式乾電池に始まり、ニッカド電池、ニッケル水素電池、最近ではナトリウム硫黄電池と様々な蓄電池を世界に先駆けて市販化するなど、
蓄電技術をお家芸にしてきたわが国にとっても、リチウムイオン電池の実用化における吉野先生の功績、特に@LiCoO2正極と炭素負極からなるLiイオン電池構成
(特許第1989293号)、Aアルミ製集電体(特許第2128922号)、Bポリプロピレン製微多孔膜による電流遮断シャットダウン機構(特許第2642206号)、
C電流と温度の両方に感応するPTCスイッチング素子による電池安全機構(特許第3035677号)に関する特許は、単に我が国に多大な知財収入をもたらしただけでなく、
これらの基本特許の進歩性、新規性が、アカデミアの世界でも認知されたという点で感慨深いものがあります。
28年前、吉野先生の特許を元にソニーエナジーテックより市販化されたリチウムイオン電池は、
同時期に登場した携帯電話の本格普及になくてはならないキーデバイスとして今日のモバイル社会の到来をもたらし、我々の生活様式まで一変しました。
そして現在では、そのリチウムイオン電池が電気自動車の性能を左右するキラーデバイスとして、さらに、その存在価値を高めています。
今回の吉野先生のノーベル賞化学賞受賞で蓄電立国日本のプレゼンスが国内外で広く認知されたことを電池技術委員会会員一同衷心より喜ぶとともに、
この慶事を追い風に、次世代ポストリチウムイオン電池の研究開発がより一層加速進展することを祈念申し上げます。

九大総長室にて吉野先生近影
電池技術委員会委員長 岡田重人
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