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ご挨拶
2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す国際的な動きが活発になっています。わが国でもこの方針に沿ってグリーン成長戦略が策定され、2030年代半ばで乗用車の新車販売の全てを電動車とする目標が掲げられました。近年の電気自動車の世界的増加傾向は著しく、2019年の保有台数は中欧米を中心に720万台に到達しています。上記施策は経済成長と環境対策を両立させる一種の社会変革を求めている点に特徴があります。我々の社会生活は電気エネルギーの上に成立しており、電気エネルギーを高効率で利用できる電池の果たす役割は今後ますます重要になると考えられます。
こうした流れの中で電気自動車に搭載される蓄電池や燃料電池にはさらなる性能向上が求められることになります。同時に、情報通信分野や新しい生活様式を支えるキーデバイスとしても、電池はより多様な用途に対応することが求められるでしょう。実用化が目前となっている全固体電池はその一つでありますし、鉄道や飛行体用の電池など、「環境を考えた新しい電池の開発」もその範疇に入ってきます。本委員会ではこれらの要求に応えるための活動を支援していきたいと思います。
ノーベル化学賞が贈られたリチウムイオン電池はインターカレーションという反応を巧妙に利用したものでした。黒鉛層間化合物の報告は1920年代が最初とされ、電池の実用化に至るまでの長い期間、基礎研究に関わる方々の不断の努力がありました。基礎研究の重要性を認識し、こうした分野の担い手、特に若い研究者を奨励してゆくことが電池技術委員会の大事な役割であると考えております。
本委員会が有する一つの大きな特徴は、産業界の方々に多く参加いただいていることです。電池は様々な部材の組み合わせからなる総合的なデバイスであるため、多くの関連分野との連携を行いながら発展することが必要です。また、実用化という具体的なゴールを目指す上で産学官の相互交流は不可欠です。本委員会は当初からこうした連携が実現できる体制であったといえます。草創期からの理念を継続して支えて来られた諸先輩方の先見の明に敬服するばかりです。今後も研究者と研究者、組織と組織の連携を提供する場として本委員会を機能させることを念頭に運営をしていきたいと思います。
微力ではありますがこれら電池分野の発展のため努力してまいりますので、皆様のご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。
2021年3月
電池技術委員会委員長 今西 誠之
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